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「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、破産手続き中)による組織的詐欺事件で、30人の歌手やタレントが、同社が新規会員獲得などを目的に開いたイベントに参加していたことが被害対策弁護団のまとめで分かった。3度の出演で1070万円を受け取った有名演歌歌手もいた。警視庁などの特別捜査本部は、会長の波和二(かずつぎ)容疑者(75)らが事業を信用させるため、歌手らの知名度を利用していたとみている。【武内亮、町田徳丈】

 元幹部によると、L&Gは06年ごろからイベントの規模を拡大。07年ごろまでには、高級ホテルなどを会場に毎回1000人以上の参加者を集めていた。波容疑者の講演や独自の電子マネー「円天」を使える市場、有名歌手らのコンサートが開かれたという。

 被害対策弁護団が07年12月と08年4月の2回、イベントの参加芸能人30人に照会書類を送ったところ17人が回答した。

 報酬を受け取ったと答えたのは8人。歌手が5人でタレントが3人。1人当たりの報酬額は最少で10万、最多は1070万円だった。返還については、最少額のものまねタレントは「返還したい」と答えたが、「考えてない」が5人と多く、「検討中」「無記入」が各1人だった。

 462万円を受け取っていた歌手の水前寺清子さんの事務所は毎日新聞の取材に、「L&Gや円天市場を宣伝するなどはしていないため、返還は考えていない」と回答。700万円を受け取っていた歌手の松崎しげるさんの事務所は「NPO主催でそうそうたるメンバーが参加していたので、問題ないと思っていたが誠に残念。返還は検討中」とした。

 一方、弁護団は08年5月、「新たな会員の参加や既存会員の出資を促進した」として歌手の細川たかしさんを相手取った損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こしたが、細川さんの事務所は6日現在回答書を弁護団に提出せず、毎日新聞の取材にも答えていない。

 波容疑者は逮捕前の毎日新聞の取材に「どこの企業も有名人を使う。NPOと芸能人のパワーを借りた。広告塔にしてどこが悪いのか」と話していた。
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