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任天堂の快進撃が止まらない。12月までの9カ月で早くも売上高が1兆円の大台を突破。人気の家庭用ゲーム機「Wii」の累計販売台数は発売から約1年という異例の速さで2000万台を超えた。業績予想の上方修正は今期では3回目だが、急成長モードに入った前期から数えると実に7回目となり、ゲーム業界での独り勝ちの構図が改めて鮮明となった。

 「Wiiは品不足で、どれだけの需要があるのかつかめない。欧米では(年末商戦が終わった)1月に入っても需要が強い」。大阪市中央区の大阪証券取引所で記者会見した森仁洋専務はこう語った。昨年12月に国内でWii向けに発売したフィットネスゲーム「Wiiフィット」も、販売台数が1カ月で100万台を超えたほどの勢いだ。

 また、国内でまず人気に火がついた携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」も欧米など海外にブームが拡大。昨年12月時点で国内と北米、欧州を含むその他の地域で、累計販売台数がいずれも2000万台を突破した。

 だが懸念材料もある。任天堂にとって主要市場である北米ではサブプライムローン(低所得者向け高金利型住宅ローン)問題を抱えて景気減速懸念が台頭し、先行きに不透明感が強まっている。森仁洋専務は「北米では昨年末のゲーム販売はとても勢いがあった。全般的に景気が悪くなって消費が落ち込んでいるという話もあるが、ゲーム業界に関してはいい数字が出ており、影響は少ないのではないか」と楽観的な見通しを示した。

 有沢正一・岩井証券イワイ・リサーチセンター長は「予想を上回る好調ぶりだ。大半の企業がサブプライム問題を懸念して通期予想を据え置くとみられている中、3度目の上方修正に踏み切ったことは少々景気が悪くなっても売れるという自信の表れ」と指摘。

 その上で有沢氏は「『Wiiが売れている』『DSが好調』というのは聞き飽きた。少々の好材料が出ても市場が驚かなくなったというのが任天堂の悩み。新たなゲーム機の投入や(今年にもWiiを投入予定の)中国・韓国市場でどう受け入れられるかがカギになる」と話している。


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